インキョ という遊び
自分が小学生のころ(中高学年)は 「いんきょ」 というビー球を使った遊びを皆でよくしていた。
中学生になっても していたかもしれない。
やり方は、屋外でビー球が一個か二個入るほどの穴を
中央と東西南北の方向(合計5ヶ所 適当な場所、距離)につくり、
参加者が順番に自分のビー玉を中指と親指で挟んで弾き、
決められた穴に直接カップインさせるか、他人のビー球に自分の玉を当てて
(この場合、次の穴に進める。 玉に当てることを イル と言っていた)
穴を順番にクリアし、二順したら 「殺し屋」に成長し、他人のビー玉に当てると相手はゲームオーバー(死ぬ)となり、最後に残ったプレーヤーが優勝というゲームである。
大体 友人家の庭か、校庭の片隅でやっていたが、穴の場所を変えられるので、
みんな飽きずに暗くなるまで遊んでいた。
ビー玉を他人の玉にぶつけたり、穴に入れたりするので、ビー玉を弾くコントロールが重要で、いろいろな大きさのビー球や種類を使ったり、
(白い陶器製のもの?は白チン といっていた。白チンはノーマルビー玉より 少し小さく割れやすい。)
ノーマルビー玉を滑らないように擦って表面をざらざらにしたり(すりちん といっていた)して工夫していた。
男子は いつの間にか覚え、皆遊んでいた。 確かにビー球一個あれば二人でも何人でも遊べる。
誰が考えたのか知らないし、なんでインキョというか というのもわからない。
どうやら かなりローカルな遊びで、隣町の子供たちは知らないらしかった。
ゲームのやり方もかなり洗練されており、シンプルでエキサイティングなので、すごく面白かった。
ビー球遊び、ビリヤードとゴルフを混ぜたような感じ? のゲームかな?
自分の実家の近くの幼なじみの親友 「やっちゃん」が上手で いつも優勝していた。
雨の日は彼とカーペットの模様を穴に見立てて、練習(ゲーム)をしていた。
もちろん 自宅で 一人で練習もしていた。(人一倍とはいわない)
残念ながら、練習しても やっちゃん には たまにしか勝てなかった。
また、当時 学習塾に通っていた私は 途中で 抜けることが多く 残念だったのを覚えている。
近年、たまに実家に帰ったときに 彼の家に行くと 旧友が集まっていたりする(彼のところにはよく旧友が集まる) すると「インキョ しょうか?!」 と誰かが言い、そして、必ずインキョ ゲームのすばらしさを皆で言い合っているこのごろである。(本当には していないらしい)
前回 行った時も、「 だれだれは、高校受験の前にも インキョをしていた。」 といって盛り上がった。
今の子供たちは 当然 インキョはしていない と思う。
私たちにとって、インキョは すばらしい幼少の思い出である。
自分の息子を見ていると、まだ、小学1年でしょうがないとは思うが、
登下校は集団で寄り道なんかなしで、自宅に帰ったら、テレビゲームをひとりでし、
誰かのところへ遊びに行くときは相手の保護者に確認許可を取って相手の家まで送り迎えし、
こちらに来るときは事故がないように 誰かが監督する。
このところのご時世で しょうがないと言えば しょうがないが、 なんだか かわいそうで、
人間形成にも 影響するのではないかと心配である。
彼の友人が来たときに 対戦ゲームをするのかと思えば、まったく違うゲームをめいめいにしていた。
私の幼少時に、もしテレビゲームがあったなら、やはりもくもくとやっただろう。
面白いのは十分にわかる。
(現に大学生のころはゲーム大好きで ファミコンを かなりやりました。)
では、インキョとテレビゲームはどこが違うのか?
テレビゲームは他人とのコミュニケーションが取れないというが、
テレビゲームでも楽しく対戦ものをすれば同じ。
負ければ悔しくて 何回も練習するのも 同じ。
インキョは多人数でできるのがいいが、よく考えると、最近のネットゲームは多人数でできる。
他人に勝つために工夫する(すりチンなど)ことがあるが、よりいい環境のためにコントローラーを変えると思えば すりチンと同じ。
そういえば、 インキョ は外で 土に はいつくばって プレイしていた。
そうすると、究極的な違いは、外で土に触れることぐらいなのか?!
なんだか、インキョの 保存と普及のために 保存会をつくり 大会を開催したくなってきた・・・・・。
2006年4月4日