お知らせ

ウサギ・チンチラ・モルモット・デグーの臼歯切削法について講演しました

2019年7月28日(日曜日) 
福岡市にて行われた日本獣医エキゾチック動物学会
第1回 九州セミナー において
ウサギ・チンチラ・モルモット・デグーの臼歯切削法について講演をさせていただきました。

ウサギ・チンチラ・モルモット・デグーのすべての歯(前歯も奥歯も)は健康であれば伸び続けます。
正常であれば上下の歯同士で、いい塩梅に削られています。

しかし、本来時間をかけて硬いものをすり潰して食べているこれらの動物が比較的柔らかいものを食べ続けると歯の伸びる方向が狂ってきます。

一般的には上顎臼歯は頬側へ、下顎臼歯は舌側に尖って伸び潰瘍が生じて食餌を摂れなくなります。
この状態を「臼歯の不正咬合」、「臼歯の過長症」などといいます。

歯が生える方向を正常にすることができれば根本的な治療になりますが、現在のところそれは困難です。
したがって、麻酔下や無麻酔下にて、尖った歯を破折したり、切削したりする治療が一般的です。
麻酔下、無麻酔下はそれぞれ利点と欠点があり、どちらが正しいとは断言できませんが、細かな仕事は麻酔下でないと行えません。

当院は開院以来、約24年間 主に麻酔下にて歯をきれいに切削する方法を行ってきました。
また、近年チンチラ・モルモット・デグーの麻酔下での臼歯の切削法を試行錯誤して自分のやり方を確立して満足できる結果を得られるようになりました。

その、コツともいえるオリジナルな方法を含めて、全国から集まった獣医師 約120名の先生方に講演させていただきました。

小さな生き物の口の奥の歯を削るのは、大変難しく、また細かい仕事であります。
特殊な器械を開発したり、自己で作製したり、いろいろ工夫してきました。

処置を行うために必要な特殊な器具  「戸崎開頬器セット」 を考案しました。

https://shinmedico.jp/tozaki/

これらの処置方法を「アンドレ・メソッド」として具体的に説明し、この問題に苦労し、迷われている多くの先生たちに参考になったと喜ばれました。

私が試行錯誤して確立した「アンドレ・メソッド」を実践していただき、全国の多くのウサギ・チンチラ・モルモット・デグーの歯科処置に役立てていただけたら幸いだと思いました。


2019年8月

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