チンチラの臼歯の過長
<チンチラの歯科処置、チンチラの臼歯過長>
ウサギ、チンチラ、モルモット、デグーは
前歯とともに臼歯も健康であれば一生伸び続けます。
彼らは本来牧草等の固い植物を臼歯ですり潰し、
時間をかけてたくさん食べる生き物です。
上下の歯がすり合わさり、丁度いい長さを維持することが望ましいのですが、
歯根の伸びる方向が正常でなくなると
削れて尖った臼歯が舌や頬に突き刺さり、
痛くて食欲がなくなり、弱ってしまいます。
前歯は見ればわかりますが、奥歯(臼歯)は
特殊な器具や麻酔をかけてよく見ないとわかりません。
当院においての治療は基本的には麻酔をかけて
口内をしっかりチェックして伸びている歯を確認し、
過長部分を削ります。
歯を削りますが、歯の生える方向は変わりませんので、
また伸びて尖ります。
したがって、また尖った歯が刺さり
痛がるようになります。
歯を削る間隔はチンチラの個体差や経過により違います。
早い個体で3週間ほどにて再処置が必要なこともあります。
当院では毎回口腔内の写真を撮って
飼い主様にご説明しております。
それにより、処置前の症状と口腔内の状態が
イメージでき、以降のチンチラの状態と来院のタイミングが
分かりやすくなると思います。
また、数回処置を行うとチンチラも分かりやすい症状を示すことが多いです。
【症状】
少し食べて ぱっと投げる
食欲不振、食欲廃絶
便が小さい、少ない
よだれが出ている
元気だけど食べない
食べたそうだが、食べない
寄ってくるが、食べない
食べ物を口に入れるが、ぽろっと落とす
口の中で食べ物を回す(移動させている)
舌をペロペロと出す
【処置の様子】
1. よだれで口周辺や両前肢が
ガビガビしています。
2. 麻酔をかけて、口腔内を確認。
左上顎の臼歯が頬部に伸びています。
3. 口内の組織を傷つけないように注意して、
伸びた歯を削っていきます。
4. 歯の頬部側を丁寧に削って、
痛くないようにします。
チンチラは特にデリケートで敏感です。
5. 逆側、右側上顎の臼歯も伸びています。
6. 注意深く削って、痛くないようにします。
【歯の処置に関して】
♦ 処置は院長が行っております。
院長不在の場合もありますので、
来院する前に、必ずご確認下さい。
♦ 処置には、時間がかかります(1時間弱)。
♦ 外来の診察もありますので、午前中の間に
お預かりし、夕方以降にお迎えを
お願いすることが多いです。
時間に余裕を持って、ご来院ください。