シンガポールへの旅 その1 【副院長 戸崎啓子】
2010年12月 副院長 戸崎啓子
最近、皆様に コラムの更新が されていないよ~っ というご指摘を受けており、申し訳ありません。
ホームページは院長に任せきりだったのですが、彼は ここ数年、エキゾチック研究会や獣医師会の
理事の仕事、執筆投稿、学会発表、専門学校の講師も させていただいておりまして、
多忙を極めております。
もちろん、日々の診療や入院管理も手を抜くことなくさせていただいております。
そんなことで、ホームページやコラムにしわ寄せがきた次第でございます。申し訳ありません。
そこで、寄ったシワを伸ばそうと副院長の私がしばらくの間、コラムを担当させていただくことになりました。
シワとかシミとか白髪などの言葉には少々敏感になってきている この頃でありますが、
よろしくお願いいたします。
さて、今年2010年の夏に 念願のシンガポールに行ってまいりました。
目的は、ナイトサファリで夜の動物たちを間近に見ること。
世界最大級のバードパークに行くこと。
シンガポールズーで象に乗り、オランウータンと写真に収まること。
最新鋭大型旅客機エアバスA308に乗ること。
でした。
これらは、私の3年来の計画であり、諸事情により、やっと今年決行!!と相成りました。
残念ながら、スコールとスケジュールに阻まれ象さんに乗ることはできませんでした。
普段、近寄ることも困難な象に触れられ、さらに背中に乗せていただくなんて・・・。
皮膚はゴワゴワなのだろうか?
毛はチクチクしているのかしら?
と思いを巡らせておりましたが、夢叶わずまたのお楽しみ となってしまいました。
さて、ナイトサファリはシンガポール動物園の隣にあり、夕暮れ近くなってからオープン致します。
徐々に暗くなるにつれ人がたくさん集まってまいりました。
いろんな人種の方々がおりまして、さらに様々な言語が飛び交い、入口横では激しいファイヤーダンスが
行われていたりして、否が応でも期待が高まっておりました。
日本からツアーを予約していったおかげで、さほど待つことなくアニマルショウを観た後
トラムという大型電気自動車列車に乗り込み、いざ出発です。
このころには もうとっぷりと日は暮れており あたりは真っ暗でした。
予約なしで当日トラムに乗るには
ディズニーランドのアトラクションばりの行列を並ばなくてはなりませんでした。
残念ながら、トラムの席が空いてなくて 院長は独り遠く離れて座らざるを得ませんでした。
大型ゴルフカート列車のようなトラムが静かに走り出し、
ほとんど柵ない動物たちの世界をそっと通過していくのでした。(もちろん撮影禁止です)
そこには、最小限の照明に映し出されたサイ、ハイエナ、トラ、
ムフロン(鹿の仲間で珍しいらしい)など様々な動物たちが ゆっくりと時間を過ごしており、
檻も金網もない低い生け垣の向こう側で、思い思いの格好で くつろいでいたのです。
私が想像していたアグレッシブなサファリとは随分違っていましたが、
静寂と いい感じの暗闇が異空間にいるような不思議な感覚を覚えたのでした。
「無防備」 これが 約40分のコースが終了した時の私の動物たちへの感想です。
これが動物たちの本来の姿なのだろうと思います。
無闇に鳴いたり吠えたりはしないでしょう。
終点でトラムから降りるとき、周りの人たち(日本人)も
「なんだか不思議だった~っ」 とか 「意外に地味だったね~」とか聞こえてきて、
私と同じような感想を言っていたように思います。
しかし、「マレーバク最高っ!!すごい近くにいたね!! 白黒模様って面白い!!
あと 匂いがそれぞれ違って クサっ!おもろいよね~っ」
と かなりハイテンションな声。
振り向くと そこには、うちの院長が 息子に 興奮して話していました。
ヤッパリ この人 動物オタク!!
こうして、シンガポールのナイトサファリを 制覇したのでした。
その2へ つづく