春になったら 【獣医師 山本 恵美】 2012年4月入社、2018年3月退職
みなさんこんにちは。
獣医師の山本です。
この度6年もの間お世話になりました、
このアンドレ動物病院を、一身上の都合により
2018年3月末に退職することになりました。
こんなに温かいスタッフと
飼い主の皆様に支えていただいたお陰で
6年もの間、頑張れたのだと痛感しています。
さて私、6年間勤務しておりましたが実は
『初!!コラム』
ですので、退職のごあいさつを兼ねまして
自己紹介も織り交ぜつつ
筆を進めようかと思います。
私は広島県の中国山脈の中腹、
備後(びんご)地方の出身です。
高校卒業後、実家を出て10年以上になりますので
広島弁も抜けて だいぶ標準語を話せるようになりました。(笑)
幼少期は
『コンビニって何??』
『マクドナルドって何??』
といった感じの田園風景の田舎で育ちました。
今の子供たちではきっと考えられないでしょうが、
実際に野山を駆け回り、草や木の実を食べ、
虫を取り、川で泳ぎ、道端に寝転がり、
泥だらけになって遊んでいました。
獣医師を目指し始めたのは
中学3年だったか、高校生だったか・・・
明確な動機はありませんでしたが、
興味のあることを寄せ集めた職業は
「 『獣医師』 なんじゃないか?」
と母に気付かされ、そこから目指すようになりました。
高校は地元の高校(汽車で1時間30分くらいのところ)
に通っていましたが、
そこがなんとも風紀の乱れた学校でした。(今はちゃんとしています。)
サボりや授業妨害は当たり前で、
先生も泣きながら教室を出ていく始末。
そんな中で
「獣医師になりたいんじゃけど、どうしたらえぇんじゃろうか?」
と担任の先生に聞くと
「うん。まず高校選びの時点で間違っとる。」
といつも言われていました。
最終的に高2の初夏
「うちの学校じゃ勉強を教えることはできん。塾に行ってくれ。」
と言われ、
「いや、お金払っとるんじゃけ補習してや。塾なんてわざわざ行きたくない!!」
と食らいつくものの
「でも、可能性がある方がえぇじゃろ?」
と言われ、しぶしぶ塾へ行ったこともありました。
とまぁ、高校生活は何やかんやありましたが
面倒見のいい先生に支えて、助けていただき
奇跡的に獣医学部の大学へ入学できました。
高校は大変でしたが、本当に良い学校の先生に恵まれて、
最終的にはそこを選んでよかったと思っています。
そして何より、
「1年目は好きなとこ どこでも受けていいぞ。
最初だけは金出しちゃる。
ただし浪人するなら自分で金出せ。後は知らん。」
と優しく見守って、無理と思いつつも
投資してくれた両親には感謝しております。
大学に入った後、文化の違い、学力の差、
言葉の壁と日々闘って、
留年するかしないかギリギリの成績でしたが、
何とか無事に進級、卒業し、
国家試験にも合格しました。
これは本当に私に知識を叩き込んでくれた
友人達のお陰です。
心から感謝。
大学卒業後、いろいろな種類の動物を診たくて、
この 『アンドレ動物病院』 へ就職しました。
最初はまさに右も左もわからなくて、
足手まといになっているだけな自分が悔しいのと、
今まで学んだことが現場では役に立たず、
『自分って真っ白なんだなー』
と何度も思い知らされたことを覚えています。
そんな至らない私を導いて、
育ててくださった院長、副院長をはじめ
スタッフのみんな、そして飼い主様方とその動物たち。
本当にありがとうございました。
アンドレのスタッフに関しては
『仲良しこよし』
なんてものではなく
時にはチームメイトであり、時には家族のようでもあり…
文章では語りつくせない大切な存在で
『みんながいないと一人では何もできないな』
と今でも日々感じています。
みんな院長、副院長を慕っていて、
一人一人がもっといい医療や
飼い主様のケアをしてあげたい、
と自分で考えて動いている姿を見ると
アンドレを形作っているのはこの人たちなんだな
と思わされます。
栃木県は親戚もいなければ、友達や知り合いもいない・・・
私にとってはまさに未開の地でした。
直観と思い付きで生き方を決めてしまったので、
就職して当初は
『さみしいなぁ』
と思ったこともありました。
ですが、この地で生きて、出会って、知り合って、
仲良くなって、友達もできて、行きつけの居酒屋もできて、
親切にしてくださる方とたくさんの縁がありました。
今思えば
『さみしいなぁ』
と思ったのはほんの少しの間でした。
私は栃木県を離れますが、ここで出会った一つ一つの縁が
この後も何かの形でつながっていればと思います。
最後に、私と かかわってくださった飼い主の皆様方へ
至らぬ点も多々あったかと思いますが、
信頼して任せていただいたり、
時には動物のことについて教えていただいたり…
本当にありがとうございました!!
雑談も多くて時間をとらせてしまったことも
多々あったかと思いますが、
そんな診察の一コマも今では素敵な思い出です。
飼い主様やスタッフのみんなから与えていただいたものは
たくさんあります。
それを残りの時間で少しでもお返しできたら
と思っています。
これからも皆様と動物たちのご健康と、
少しでも早く病から回復できるよう願っています。
ありがとうございました。